長 い島(端から端まで45km)を意味する細長いドゥギ島の南端近くに、島一番の村サリがある。
本土から遠く離れた島はあまり開発が進んでおらず、特にサリ周辺は国立公園として大部分が保護されているため、掛け値なしに手つかずの自然が残されている。
サリは、この海域で唯一の古い村で、リゾート化で変貌しつつある他の村と違って漁村の雰囲気を保っている。
ヴェネチア領時代に、隣り合わせのコルナティ諸島での漁業権を独占していたため漁港として発展した。だから町並みは、全くイタリア的だ。
切れ込んだ静かな入江に沿った岸壁には漁船が所狭しと係留され、また引き上げて修繕中のものもある。その岸壁は、観光シーズンともなると、夜には露天やアイスクリーム屋が出て、散策する人で賑やかになる。レストランでの新鮮な魚介類も楽しみだ。
オリーブの木が茂る丘に登ると、ゆったりした島の空気を実感する。
サリは、アドリア海を楽しむのに最適な立地にある。
白い円錐型の島々が無数に浮かぶ光景で名高いコルナティ(Kolnati)国立公園は目と鼻の先、本土からのツアーでは往復だけで多くの時間が費やされるが、距離が近いこの町をベースにすれば十分に楽しめる。
太古の海がそのまま残るテラシュチツァ(Telačica)国立公園は島の南端を占めており、車やツアー船で至近距離だ。
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