日 本からキプロスを訪れるとき、乗り継ぎ空港の関係で多くの場合ラルナカ空港が玄関口になる。そのまま通過して目的地へ急ぐのもよいが、意外と見所もあるので立ち寄ってみたい。
市内に入る前に、空港に近いラルナカ塩湖のほとりに建つモスク、ハラ・スルタン・テッケジ(Hala Sultan Tekkesi)【写真下】に寄ることが出来る。キリスト教国に位置するこのモスクは、イスラム教の創始者モハメッドの叔母が眠る674年に建立された由緒あるモスクで、イスラム世界でも重要なモスクの一つと考えられている。
18世紀の水道橋を眺めながら市内に入る。港周辺の、まるでレバノンの街のように人種・宗教がモザイク状に入り組んだ地域に、ほとんどの見所が集中している。海岸にある15世紀の砦の脇にはビュイック・ジャミィ(大モスク)があり、さらに数百メートル奥には9世紀に起源をもつ聖ラザロ教会【写真上】が建っている(現存の建物は17世紀の改築)。端正な外観には、カトリック・正教両方の影響が見られる。キリストの弟子、聖ラザロの墓があることで有名だ。
港に向かってビーチを歩いていくと、海岸沿いはヤシの木が続くプロムナードになっている。リゾートホテル、マンションとカフェとが並んでいる様子は、お手軽な観光地の雰囲気だ。足を伸ばして市街地の中にあるキティオン遺跡も覗いて見たい。
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