国籍のカオスような街、レメソス(英語名リマソル)をそう言い表せるかも知れない。キプロスの海の玄関口であり、外国からの人や物が流れ込み、新市街、旧市街を問わず雑然とした雰囲気がある。新しいビルと古い建物が隣り合わせに並び、モスクや教会が並存する。ギリシア系の地元民に加え、流入したトルコ人や中東からの移住者が加わり町は拡大した。しかも夏には欧米やロシアからのリゾート客が通りを埋め尽くす。 そんな街を見渡すには、リマソル城に登ってみるのが良い。沖合いに貨物船が浮かび、ビーチに沿ってリゾートホテルが立ち並び、陸地に無秩序に広がる街の様子が良く分かる。城に近い旧市街を散策すると、ギリシアとも中東とも言えないこの街の独特の空気が感じられる。