河岸の傾斜地に面した城は難攻不落だ
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世界遺産でもある南仏ルシヨン地方、ナルボンヌから約60キロ入った内陸都市カルカッソンヌは、中世の城塞都市がほぼ完全な形で保存されている。城壁内は一回りして1時間程度の手ごろな大きさだ。アラゴン王国との戦いの最前線として城は補強され、二重の城壁と堀とで防御を固めた強固な都市をして名をはせた。しかし17世紀にはいりフランスが大きく領土を広げると前線基地としての価値を失い、町は急速に衰退したが、1840年から始まった保存修復工事の結果として現在のような見事な姿が残されている。
城壁内への唯一の入口、ナルボンヌ門
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唯一の入口は今もって完全な構造を残すナルボンヌ門だ。2本の塔に守られ、内部も罠を含む複雑な構造を持つ門を潜り抜けるのは容易なことでなかったろう。8世紀、この門を巡ってカール大帝の5年に渡る包囲戦を守りきったウマイヤ朝ダマ・カルカスの像が置かれている。
土産物屋の色鮮やかなソレイアード
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城壁内は道から建物から全てが灰褐色の石の色一色だが、土産物屋の鮮やかなソレイアードやテーブルクロスが彩りを添え、レストランや菓子屋・食料品店が軒を連ねる様子に寂しい感じはしない。小さな町で、目立った建物は城と主教会としかないので、迷いながら進んでもすぐにどちらかに行き着く。
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