地中海,フランス,イエール,hyeres
プロヴァンスらしい雰囲気を楽しむ街
Hyères
イエール
(フランス)♦♦

ァール県庁のあるトゥーロンの東に位置しに対し、中世の美しい町並みを保っているのが、イェール旧市街だ。
 紀元前のマッシリア王国の都市、そして近世の英国人保養地、など海岸部で歴史が作られてきたが、今日美しい姿をとどめているのは、3kmほど内陸の中世都市の方である。際立った観光資源はないが、プロヴァンスの雰囲気を楽しむにはぴったりの街といえるだろう。
 旧市街は、丘陵地の斜面にかけて広がっている。
 入口は、植物園脇のクレマンソー広場(Place Clémenceau)になる。土曜の朝には市が立ち、さまざまな露店がひしめいている。大時計の掲げられた中世のマシヨン門から伸びるマシヨン通り(Rue Massillon)は、食品から日用雑貨、ファッションまで何でも揃う繁華街で、活気と生活感が溢れ、人通りが絶えない。
 丘が迫ってくると、ぎっしり詰まった市街地の中のオアシスのような空間、マシヨン広場に出る。ひときわ高いサン・ブレーズ塔(Tour Saint-Blaise)の下に、カフェやレストランのパラソルが点在している。
 ここで商店街は終わり、登り道になる。住宅街の細く折れ曲がった路地を適当に上がっていくと、中腹のひときわ大きなサン・ポール教会のテラスに出る。
 見下ろす町並みと、向こうに見える地中海の眺めに、目を見はる。教会脇の12世紀のサン・ポール門は、古い城壁の一部である。
 門を潜ってさらに住宅街を登ると、やがてカステル・サント・クレール公園になる。山頂まで行くなら、軽いハイキングになる。
 お手軽なのは、教会から上り下りなく北へ150Mほど進んだバリュック門から登る、サン・ベルナール公園だ。それでも数分の石段の登りには、大いに汗をかく。
 上まで登ると、中世の城と城壁がある。展望も一段と素晴らしい。
 急坂を一直線に下ると市街地に戻り、坂が緩くなると、13世紀の巨大なサン・ルイ教会(Église Saint-Louis)に出る。出発点のクレマンソー広場は目の前だ。