ルセイユとトゥーロンを結ぶ高速A50を走っていると、良く見ると一面のブドウ畑の中、少し離れた丘の頂に小さな村が見える。それが、ル・キャステレだ。
　ラ・カディエール・ダジュール（La Cadière d'Azur）インターで降りて、わずか数分で到着する。駐車場から石段をほんの2〜3分登れば、もう村の一角だ。
　村は直径僅か100Mのいびつな円形。5分もあれば一周してしまう。
　特に見るべきものはなく、北端の眺めの良いテラスには唯一の教会があり、あとは古い家並みがあるばかり。
　しかし多くの観光客が、この小さな村の雰囲気を求めて訪れてくる。村の中には、土産物屋やアトリエが数多く、レストランも10軒近くある。これらを巡って漫ろ歩くのが、楽しみなのである。
　まさに、村をあげてのテーマパークと言ってもよいくらいだ。プロヴァンスの田舎の村に行っても退屈だ、という方には向いているかもしれない。