"地中海,フランス,ロクブリュンヌ,ロクブリュヌ,roquebrune"
穏やかな時が流れる鷲ノ巣村
Roquebrune
ロクブリュンヌ
(フランス)♦♦
Centro
Storico

海を見下ろす岩山に載った旧市街

ノ巣村として有名なエズの近く、同じ旧モナコ公国領ながら全く違った味わいを見せるのがロクブリュンヌ旧市街だ。
 歴史ある村は、今では海岸の高級リゾート、キャプ・マルタンと同じ町の一部になった。そのため交通の便が悪い山中にひっそり佇む旧市街は、中世の鷲ノ巣村の姿を良く残している。
 町外れの大きな駐車場から2〜3分歩くと、旧市街入口にあたるドゥ・フレール広場に出る。唯一の宿「レ・ドゥ・フレール」があるこの広場は、海に開けたテラスになっており、モナコ市街の眺めがとても美しい。

大きな岩の上に築かれた10世紀の城

典型的な南仏の山村の風景


 上を見上げると、黒っぽい大岩の上に、中世の城が載っている。モナコ領時代、ロカブルーナ(Rocabruna=暗褐色の岩)と呼ばれたこの村は、まさしく岩の上に築かれている。
 先へ進むと、黒ずんだ石壁に赤い瓦屋根が載った、典型的な古い南仏の村の光景が続く。程なく、13世紀のセント・マルゲリート教会前の小広場に出る。濃いピンクの外壁が、古い町並みに映える。小広場に面した食料品店は、この村に実際の生活がある証しでもある。
 岩山の上に築いた村の土地は狭く、道路の上に家屋を建てて1階部分をトンネル状に通れるようにしたり、道が岩をくり貫いて作られていたり、様々な工夫がされている。

教会のあるこじんまりした旧市街の中心広場

モンコレ通りは、岩をくり貫いた道



城の上のテラスから、かつての首都モナコが見える

みへ登ると小広場ウィリアム・イングラムがあり、ここにロクブリュンヌ城の入口がある。山城らしい堅牢で複雑な造りで、歩き回るのも楽しい。
 だが、何と言っても海抜270メートルから眺める、モナコからマントンにかけての、コートダジュールの海の明るい青と、瓦屋根の赤、木々の緑の織り成す大パノラマは、かけ値無しのすばらしさだ。