"地中海,ギリシア,キタ,マーニ,マニ,kita,koita,mani"
かつてマーニ地方の中心であった村
Kíta
Κοίτα
キタ
(ギリシア)

ーロッパ大陸最南端といわれるギリシアのマーニ地方(正確には僅かにジブラルタル海峡の方がさらに南にあるが)、平地が少なく乾燥して荒涼としたこの地域には、国家権力と戦いながらも、隣接する部族同士の内紛も絶えない、勇壮な部族が住んでいた。
 彼らは、要塞のような高い塔を建てて自宅として住み、中世には沿岸部で珍しくない「職業」であった海賊を生業として暮らしていた。
 トルコ占領時代にも度々反乱を起こし、ギリシア独立戦争を主導したのもマーニの人々であった。

 そんなマーニのかつての拠点の一つがキタで、塔の数の多さで他を圧倒していた。マーニの戦闘行為は近代まで続いた。最後の戦闘は1871年にここキタで起き、ギリシア軍により鎮圧されている。
 今でこそ武力による対立は全く行われないが、村同士の競争関係は続いているという。
 一時は完全に荒れ果ててしまったが、現在は荒廃した塔を補修して観光用に貸し出すなど、ゆっくりと再生に向かいつつある。