日 本で馴染みが薄いのに反して、ギリシア北部のイピロス地方の中でも予約なしでは泊まれない屈指のビーチリゾートとして知られている。
入江の奥の斜面を覆うカラフルな家々、岩山の山頂の街を見下ろすヴェネチアの城跡、海辺に並ぶカフェ、その規模といい彩りといい絵に描いたように整った港町だ。
近辺は山が険しく国道は山間部を通っている。その国道と街を繋ぐ幹線道路は、夏ともなれば海辺の入江に点在する美しい白砂のビーチを求めて訪れる人々で、車列が絶え間ない。
中世の時期パルガは、ギリシア本土の中で数少ないヴェネチア共和国領の都市であり、貿易の中継地として発展した。この街がトルコ配下のアリ・パシャの手に渡ったのは19世紀に入ってからのことだ。20世紀にようやくギリシアに復帰し、荒れ果てた街に再び住民が戻ってきてからまだ1世紀も経っていないことは、現在の賑わいからは、俄かには信じられない。
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