メ サ・マーニ(内マーニ)も最深部まで来ると、険しかった山も穏やかな草地に覆われた丘になり、いよいよ最果ての地が近いことを予感させる。
ポルト・カイヨは、その草地がコバルトブルーの海に深く抉られた天然の良港で、最近まで小さな漁港に過ぎなかったが、今では最南端のビーチリゾートとして人気がある。
リゾートといっても、リーズナブルなホテルとタヴェルナがあるこじんまりしたビーチに過ぎないが、見渡す限り何も無い海に囲まれて過ごせる場所として、貴重な存在だ。
歴史的には、クレタ、キプロス、エジプトに睨みを利かす戦略的に重要かつ安全な港であったため、支配者のフランス、ヴェネチア、トルコなどが常にここに砦を建ててきた。湾の北部には、フランスのものともトルコのものとも言われる砦の残骸が見られる。
ギリシア語らしからぬポルト・カイヨという港の名前も、イタリア語のPorto di Quagliaより来ているといわれている。
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