"地中海,ギリシア,ザキンソス,ザキントス,zakynthos,zante"
「オリエント花」と詠われたイオニア海の要衝
Zákynthos
Ζάκυνθος
ザキンソス
(ザキンソス島 −ギリシア)

つて、またの名をオリエントの花(fiore di Levante)とも呼ばれるザンテ(Zante)という美しい町があった。アドリア海からイオニア海にかけての一帯を治めていたヴェネチア共和国の最前線で、東方貿易の拠点として大いに栄えた町だ。
 1953年の大地震で跡形も無く消滅したが、その跡に再建された町が現在のザキンソス(ザキントス)だ。過去の栄光の記憶から、今でもザンテと呼ばれることも少なくない。町の建物は長くても50年程しか経っておらず、数百年以上も使われる石造りの建築が多いヨーロッパの町としては、町並みが全体的に新しい印象だ。1925年のアギオス・ディオニソス教会[写真上]が、唯一大地震にも崩壊しなかった建物で、神の御加護によると言われている。
 そこから1km近く離れたかつての町の中心地ソロモン広場[写真下]にかけて賑やかな中心街が長く伸びている。ソロモン広場の背後には、町を一望する城跡が控えている。

 現在のザキンソス島は、日本でいうグアムのような手軽なビーチリゾートとしてヨーロッパ中で人気が高く、飛行機で、船で訪れるリゾート客が押しかける。港と空港のあるザキンソス市は、その受入れ口として夏の間はまさにごった返すのだ。
 殆どの客は、島内各所のヴィラに移動するので、この町で滞在する人は意外と少ない。しかし島内観光に使えるバス路線が無いので、ビーチや島内ツアーの参加に便利で割安に宿泊できるこの町で滞在するのも方法の一つだ。