を円錐型に積んで作ったとんがり帽子のような屋根の小さな家、トゥルッリ(本来トゥルッロだが、通常複数形でこう呼ばれる)。屋根の頂上には白いクーポラを乗せ、しばしば屋根の石の部分に、原始宗教や魔術、キリスト教などをモチーフとしたシンボルが大書きされている。
この街だけにトゥルッリが集中しているのは、18世紀のナポリ王、フェルディナンド4世が、この地域の農民(イタリアでは農民が市街地に住むことは普通にある)の建物であるトゥルッロの姿が大いに気に入り、町内の建物は全てトゥルッリで建てるよう命じたためとされている。 その後、中心街は一般の建物に建て替えられたものの、農民の居住地であったモンティ地区とアイア・ピッコラ地区は、保存地区となり新築の建物はもちろん教会までがトゥルッリで建てられつづけており、現在までその町並みを残している。 |
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役所前の、石を敷き詰めた四角いポポロ広場が町の中心となっているが、観光客にとっての中心はトゥルッリ地区の真中にあるジュセッペ・マルテロッタ広場だ。二つのトゥルッリの丘に挟まれた窪地のような地形になっていて、駐車場や、夏には移動遊園地も出てくる多目的広場となっている。
一方反対側のモンティ地区は、2階建てで部屋数も多い現代風の立派なトゥルッリが多い。観光客用の店が多く人並みが集中するのものこの地区だ。メルヘンのような町並みが日本人に特に人気があるようで、イタリアにしては珍しく片言の日本語が通じることさえある。 屋上を客に開放している土産物屋があるので、屋根の上から街の眺めを見るのも一興だ。丘の最上部にあるサン・タントニオ教会まで街区は続いている。 |
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