サ ルデーニャ島の北西部に、小さな港湾都市アルゲーロがある。必要最低限の規模と要素を有する人の生活にちょうどよいサイズの歴史ある落ち着いた町だ。
かつて地中海西部のティレニア海を内海としたスペインが前線基地として建設した町だ。そのためサルデーニャでは珍しく、見事な城壁に囲まれた典型的な城塞都市を形作っている。
城門をくぐり、城内の旧市街に入ると、サルデーニャらしくない整然とした街並みが通りをはさんで続く。ショッピングストリートとして、夕方ともなれば大勢の人が繰り出す一帯だ。
直接海にせり出した町なので、波を防ぐため城壁は堤防のようでもある。幅10mほどの、快適なプロムナードになっており、夕方歩くと西日の照り返しが、飴色の建物に反射して美しい。その時間、シーサイド・レストランが並ぶ一角では、テーブルのセッティングに余念がない。また、新市街の海岸も公園になっており、人気の散策スポットだ。 郷土料理のカタロニア料理を出すレストランが幾つかあるが、中でも「アル・トゥグーリ(Al Tuguri)」はサルデーニャでも名高い店で、洗練されたカタロ・サルディニアン料理が味わえる。海岸沿いに南に歩くと、貴族のヴィラをそのまま利用した高級ホテル「ヴィラ・ラス・トローナス(VILLA LAS TRONAS)」がある。予算が許すならここに泊まりたい。
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