"地中海,イタリア,バイアルド,バヤルド,bajardo,baiardo"
見渡す限りの緑の山々に囲まれた山上の村
Bajardo
バイアルド
(イタリア)♦
Centro
Storico

ギンベーニャ峠からの帽子を被った山のような町の全景

グリア地方には、知られざる山上都市が数多くあるが、比較的海岸に近く訪れやすい村が、バイアルドだ。
 正式にはBajardoだが、しばしばBaiardoとも表記されているようだ。
 サンレモから約30kmの山道を走ってギンベーニャ峠(Passo Ghimbegna)を越えると、展望が開ける。

地区教会前広場の郷土料理を出す食堂

 標高900メートルを越す山の頂に被せた帽子のような村落と、その下の斜面を覆う段々畑に目を見張るだろう。

 東西に延びる細長い尾根の上に乗った集落に、道は東側から入っていく。車が普通に通れる道幅は、村の入口にあたる地区教会前の小さな広場で終わる。
 ここには、村でたった2軒の食堂があり("Ristorante Armonia"と"Osteria Ra Culeta")、どちらも素朴な山の料理を食べさせてくれる。

石を組んだ中世のままの山岳住宅が並ぶ

こから奥へと、石畳の狭い道が延びている。
 道は分岐し、曲がりくねり、時には石造りの家の下を潜っていくが、町が長細い形をしているので、とにかく前へ進んでいけば、迷うことはない。
 道が細くなりいよいよ先が怪しくなったころ、天井が抜け落ちた古いサン・ニコロ教会に出る。山頂部にあたるこの場所は、ちょっとした展望台になっている。この村が、あたりを緑一色の山々に囲まれた秘境にあることを、改めて感じられる。

村を一歩出ると、緑の山々が続く






  僅かの幅ではあるが、町は尾根の南側に広がりを持っている。帰りは、農村風景を眺めながら、南斜面を通る道を戻ってくるとよい。

 本当に何もない、リグリアアルプスの典型的な山村だが、きれいな空気、周囲が360℃開けた明るい雰囲気、そして美味しい料理がある。リビエラ海岸の喧騒にちょっと疲れたときには持ってこいの、静かな場所だ。