歴 史ある町ボーザは、テーモ川の河口から2km遡ったところに位置する美しい町だ。市街地が川の両岸に長細く伸びており、左岸に立ち並ぶ三角屋根の倉庫群はサス・コンツァスと呼ばれ、ここでなめし皮工業が盛んであった時代のものだ。
反対側の小高い丘の頂上の町を見守るようなスペインのアラゴン王国時代のセッラヴァッレ城跡が望める。
その足元に展開する迷路のような居住地域は、アラゴン領時代に交易で発展した町の核心部であり、まるでカタロニアのような雰囲気だ。そこを抜けて登ると傾斜は険しくなり、城へ向かう一本道となる。
立派に見えた城跡は廃墟になっているが、海を背景にした町の全景が美しい。海岸沿いには双子の町、ボーザ・マリーナ(海岸のボーザ)が望める。年二回、キリスト像が川を上ってボーザの町へと船で里帰りする祭で知られている。
城壁内にわずかに残る建造物は、かつての領主が立てさせた小さな教会ぐらいだ。消えかかったフレスコ画が往時を偲ばせる。
川にそって街の上流2km地点のサン・ピエトロ教会は見逃せない。サルデーニャに残る優れたロマネスク教会の一つだ。屋根に渡された木造の梁が中世の色合いをそのままに伝えている。
|