イ タリア南部、やや沖合いのティレニア海に離れて浮かぶのがエオリエ諸島だ。
海と山ののナチュラルリゾートとして人気の高いこの諸島で、全ての船が立ち寄る中心地がリパリである。楕円形に近い島の東側にある数百メートル径の岩の大地と、その上にたつスペイン時代の城塞がシンボルだ。
船が到着するのは城塞北側のマリーナ・ルンガ(Marina Lunga)に到着する。地元市民に加え、町で食事や買い物を楽しむツーリスト、島内に点在するリゾートに向かう客などで、いつも賑やかな場所だ。
まっすぐ南に向かう石の舗道のヴィットリオ・エマヌエレ通り(Corso.Vitt.Emanuele)【写真上】は、両側にいろいろな店やカフェが立ち並び、シーズン中は人並みで埋まる目抜き通りだ。
途中から路地に入ると、城塞にまっすぐ延びる石段が現れる【写真右】。正面にカテドラルを見ながら登りきると、上部は意外と平坦で広い。カテドラル以外は博物館、遺跡、公園などになっている。ここは古代ギリシアのアクロポリスであったところであり、さらにそれ以前の建築物も出土している。南側の崖の上から眺める旧港、マリーナ・コルタ(Marina Corta)の眺めが美しい【写真下】。
城塞南側の旧港へは、ガリバルディ通り(Via Garibaldi)を下っていく。島の古いたたずまいが残る、そぞろ歩きにぴったりの一帯だ。両側に凝ったディスプレイのリゾートファッションや土産物店などが並び、見ていて楽しい。島特産の農産物や食品で店の周りを飾り立てた郷土食品店、エッセピウ(Essepiù)【写真最下段】がひときわ目を引く。マルヴァジアワイン、カペッリ(ケッパー)のほか、地元の各種瓶詰めや焼菓子類が美味しい。
ほどなくたどり着くマリーナ・コルタは漁船やリゾート客のクルーザーなどが利用するこじんまりした港だ。ウーゴ・ディ・サントノフリオ広場(P. Ugo di Sant'Onofrio)は城塞の真下に位置する小規模だが感じのよい広場だ。堤防付け根や港の南端にあるかわいい教会が良いシャッターチャンスとなる。この界隈には落ち着いたリゾートホテルやレストランもあり、騒がしい町の中では別天地だ。
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