ヴ ェネチア共和国がアドリア海の北岸を縁取るように航海の安全と資材補給のために保有した長大な海外領土は、全てが失われた。だがたった一つ、地図で見落としてしまうほど小さなムッジァだけがイタリアに残された。
旅行者はみなトリエステから高速道路でスロヴェニアに直行する。しかし、国境手前のイタリア国内最後のインターチェンジで下り海岸沿いに行ったところに、スロヴェニアに接したイタリア最後の町ムッジァがあるが、わざわざ立ち寄る人は殆どいない。
人口1万人余りの小さな港町のマルコーニ広場の市庁舎の壁に据えられた、白い大理石の有翼の獅子が、それを証明する。左手の切妻が美しいドゥオーモもまた、植民地の典型的な形式を踏襲している。
港に面したリストランテでは、アドリア海の海の幸をリーズナブルな価格で楽しむことが出来る。
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