ルバジア山地にひっそりと佇む羊飼いの町に起源を持つのがオルゴソロだ。県庁所在地のヌオーロから車で約30分の近さだが、カーブの連続で意外と時間がかかる。山の斜面に上下に不規則に広がる町には、大聖堂、大通り、庭園など、これといったシンボルもなく、山間の寒村といった風情だ。だか、山地の伝統を残す町としてよく知られており、女性の多くは黒ずくめの民族衣装でひっそりとした路地を行き交う。郷土料理で有名なレストランが何軒もあり、スローフードを目当てに訪れる人も少なくない。 町に入って目につくのが、民家の外壁を飾る色鮮やかなムラーレス(壁画)だ。1960年代にこの町のアーチストが描き始めたのが最初で、周辺の町や、自然の岩などで次々と政治的なメッセージをアーティスティックな表現で覆っている。