"地中海,ポルトガル,エルヴァス,エルヴァシュ,elvas"
国境の要塞都市
Elvas
エルヴァス
(ポルトガル)

車の形のように沢山の腕(砦)を持つ円形の要塞都市。グアディアナ川を挟んでスペイン西部の拠点都市バダホスと対峙するエルヴァスは、イベリア半島を東西に貫通する道の要所にあり、ポルトガル、アラブ、スペインの間で常に帰属が争われてきた。
 町の名はエルヴァシュと言うが、日本語では大抵エルヴァスと表記されるようなので、それに従う。蛇足ながら、"va"を「バ」とせず出来るだけ正確に「ヴァ」と表記するのはよいが、そこまでこだわるなら何故"s"を「シュ」と書かないのか不思議でならない。一方で、数十キロ南にある小さな町"monsaraz"は、「モンサラーシュ」と強勢音を含め正確に表記されるようだ。

 さて、エルヴァスの見所は、町の構造だろう。だから車を使って周囲から眺めるのが面白い。どの方角から見ても見事な城壁が取り巻いている。周辺の斜面に家屋がないのは、侵入者を発見しやすくする、堀のような役割を果たしているのだろう。
 アモレイラの水道橋(Aqueduto da Amoreira)と呼ばれる7.5kmの中世の水道橋が西に伸びており、31メートルの高さで車道を跨ぐ姿は圧巻だ。
 城壁内部の街並みは、城、大聖堂、微かにアラブの面影を残す町並みなど、このクラスの都市としては標準的なものだ。
 サンタ・クララ小広場(Largo Santa Clara)の中世の大理石の柱で出来たさらし台[写真下]には、中世そのままに4本の鉄のフックが取り付けられたままだ。