バ ルバテ(Barbate)川の河口近く、カディスの南東約40キロのやや内陸部、切り立った崖の上の白い町がベヘール・デ・ラ・フロンテーラだ。車で町に接近していくと、遠めにはそれが万年雪を抱く山のように見え、近づくに従いはっきりと町であることが認識できる。
カルタゴ時代にはバルバテ川はワジ・バカ(Baka)と呼ばれており、それが町の名の起源であるといわれている。アラブの時代を経て、レコンキスタの1250年からの数十年間、町の支配権はアラブとカスティーリャの間で数回に渡り行き来した。それが都市名に冠されたフロンテーラの由来となっている。
細い曲がりくねった小路にかかるアーチと白い家並みは、典型的なアンダルシアの町並みであり、程よい町の大きさが、構造に一体感を与えている。町の中心広場では陶器のカエルの像が水を吹き上げている。主要な教会をはじめ、町内の建築はアラブの影響を強く残しており、町全体が史跡に指定されている。
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