代から地中海の入口を抑える戦略拠点として、紀元前5世紀のカルタゴ人以来、幾多の民族がセウタを通り過ぎていった。
セウタへは、スペイン南端の港町アルヘシラスからフェリーで渡るのが一般的だ。 セウタへの渡航は出入国には当たらないが、海外自治領で税体系が異なることによる関税検査と、治安上の必要からパスポートチェックを要求される。 貨物港を兼ねたセウタの港は広大で、その一角にあるフェリーターミナルから市街地までは、タクシーに乗るには近い中途半端な距離だが、人気のない寂しい埠頭を十数分歩いていくのは不安かもしれない。
アフリカ側は新しい住宅地、そして陸地が狭くなった部分は堀で大陸から分断され、3本の橋が旧市街へと繋いでいる。旧市街側は海に面し「王の砦」と呼ばれるポルトガル領時代の要塞になっており、その要塞に組み込むまれるようにセウタ一番のホテルであるパラドールがある。 パラドールの向こうはアフリカ広場(Plaza de Africa)で、この周囲に市庁舎、大聖堂、アフリカ聖母教会などの主要な建造物が集まっている。 北側の大西洋側の海岸には、マリーナ、プールなどの人工的な施設が並び、公園のように整備されている。 賑やかな繁華街はないが、ロス・レイエス広場(Plaza de los Reyes)に向けて、店やレストランが点在している。 一方南の海岸は豊かな自然が残り、穏やかな地中海は、最近ビーチリゾートとしても人気が出始めている。
内を一巡りしたら、地中海の入口に当たる門柱、即ち「ヘラクレスの柱」として知られるアチョ山(Monte Hacho)に行ってみるのも良いだろう(モロッコのムサ山との説もある)。
ところで町を歩いていると、モロッコ系の市民がかなり多いことに気づくだろう。コスモポリタン都市のセウタには、モスク、シナゴーグがあり、山一つ向こうの国境近くには、ムスリムが住むバリオ・デル・プリンチペ・アルフォンソ(Barrio del Príncipe Alfonso)という街区がある。
有料道路の料金所のようにも見える国境を越えるとすぐ、モロッコの町アル・フィニディク(ﺍﻟﻓﻨﻴﺩﻖ/Fnideq)だ。タクシーと交渉すれば、モロッコの旧スペイン領エル・リフ地方への日帰り観光も簡単にできる。
の帳が訪れると、繁華街を持たない街は、人影も疎らですっかり静まり返る。
旧市街の中ほどにある、ロス・レイエス広場(Plaza de los Reyes)にある、サン・フランシスコ教会のアラブ風の装飾を取り入れた壁面は、昼間は白と青のコントラストが、夜には水と光のハーモニーが美しい。
--> Parador Hotel la Muralla (地中海生活 −Hotels)
--> http://www.ceuta.es/(セウタ自治政府) --> http://www.ciceuta.es/(セウタ市) |