リ ゾート地として有名なハマーマート(以後、フランス語由来のハマメットと表記)の歴史は、約80年前に建てられたルーマニア人の富豪セバスチャンの別荘に始まった。
白砂にエメラルドグリーンのビーチ、レモンの生い茂る土地に魅せられた彼は、ここに知人を招待し、ハマメットの魅力はヨーロッパじゅうに広まった。
現在では、ビーチに沿って幾十のリゾートホテルが立ち並ぶ、チュニジア一の国際的なリゾートに発展した。
そのため町はアラブとヨーロッパの入り混じった地中海的な様相を濃くしている。保養地なので歴史的な見所はないが、小さな港のに隣接する200メートル四方の正方形をした可愛らしいメディナは必見だ。
城壁に囲まれたメディナ内部には、スーク、カスバ、繁華街に住宅地と、小規模ながらメディナの要素が全て揃っている。
これらの建物の中には外国人が所有するものもあり、商店といい、住宅といい、イタリア南部やギリシアの白い町に近い感覚の外装やディスプレイだ。シャッターチャンスに事欠かない、チュニジアのメディナの中で最も美しいものの一つといってよいだろう。
海に隣接したカスバに入場すると、美しいビーチとミニチュアのようなメディナの絵のような風景が展開する。屋上のカフェで、絞りたてのオレンジジュースを手にのんびりと過ごしたい。
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