"地中海,トルコ,カシュ,kas"
山海に恵まれた上品なリゾート
Kaş
カシュ
(トルコ)♦

中海沿岸のトルコのリゾートと言えば、海はきれいだがどこかプリミティブで誇りっぽいイメージが拭いきれない。そんな中でカシュは、ナチュラルライフを満喫しながらもインターナショナルなレベルに達しているリゾートの一つかも知れない。どの空港からも遠く、幅の狭い国道を通ってしか行くことが出来ない。前は海、後ろは山に阻まれた隠れ家リゾートだ。


 紀元前にここがアンティフェロスという町であった痕跡はほとんど残っていないが、それでもゆるい登り坂になっている目抜き通りの中に唐突にリキアの石棺が鎮座していたり[写真1]、港から裏山を見上げると岩壁に掘られたリキアの墓所があちこちに見られる[写真2]ことなどに、永い歴史を感じずにはいられない。
 リゾートとしての歴史は浅く、ヨーロッパ人に人気の静かな保養地として、土産物屋、レストラン、ホテルが増えてきたのは近年のことだ。港からは、近くの遺跡や島を目指してツアーボートが次から次へと出発していく。すぐ正面に見えるメイズ島(Meis Adası)など3つほどはギリシア領なので、出発前にカシュ警察で出国手続きを済ましてから行く。

 町は大陸からヒョロッと海に突き出した半島の付け根にあるのだが、やや半島側に進んだあたりに古代の劇場が残されている[写真4]。夏の夕方、風に当たりながら観客席でギリシアの島々が浮かぶ海を眺めながら過ごすのもよい。