人 口約2万の町シデは、東地中海の小さなリゾートタウンだ。夏には青い海を求めてヨーロッパから多くのリゾート客が押し寄せる。古代に栄えた列柱通りは、今は観光客がひしめく土産物屋街となって往時の繁栄を偲ばせる。
かつてこの一帯はギリシア人の庭であったが、ここにも紀元前5世紀頃植民地が建設された。シデはギリシア時代からローマ時代にかけて、特にローマ時代には大変栄え、32kmの水道橋が町に水をもたらし、ローマ浴場にはクレオパトラが入ったと言われている。栄光ある歴史は永く忘れ去られていたが、前世紀に神殿、劇場[写真右下]、バジリカ跡などが発掘され脚光を浴びた。特に岬の先端にある、アテナ神殿・アポロン神殿[写真上]の立地は素晴らしい。再建された神殿の一部が、朽ち果てた柱の残骸に混じって、蒼い海に映える。
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