町の実力ナンバーワンのレストラン | |||||||||||||||||||
向きに開けた明るい漁村、ヴィルフランシュ・シュル・メール。コートダジュールの小さな港の波止場は、ちょっとしたプロムナードだ。
もちろん、毎朝漁に出て取った新鮮な魚を出す料理の評判も高く、南仏に居を構える著名人の常連客をたくさん持つようになった。そのひとりジャン・コクトーがサン・ピエール礼拝堂を鮮やかな色彩に新装したのも、彼女との縁が始まりだったという。
ジェルメーヌ亡き後、店を引き継いだレミー・ブルアンは、歴史あるレストランを発展させ、セレブたちもが訪れるコートダジュールに名を轟かす魚料理店の名店を築き上げた。 |
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伝統料理をベースに上品に装飾した品々 | |||||||||||||||||||
ィルフランシュ・シュル・メールは静かな保養地だ。日差しの強い昼は、夏であれば一番のプロムナードでも人影は疎らだ。涼しげな庇の下に張り出したテラス席で、港の情景を眺めながらゆったりと食事ができる。
南仏の典型的なレシピは、日本のレストランとはだいぶ違うので戸惑うかも知れない。魚をトロトロになるまで身まで丸ごと煮込んだもので、透明感がなく赤茶色をしたシチューのような、食べる一皿だ。魚介類のかたまりは全然入っていないのに、味がものすごく濃縮されている。
メインでオーダーした場合は、このスープにさらに魚介類が盛り付けられたボリューム感のある一品になるらしい。 新鮮なアンチョビのマリネもまた、欠かせない。取れたてのイワシを軽くマリネした一皿は、鮮度抜群で、和食の酢しめに通ずるものがある感じだ。 どちらも良い材料を使わないとできない逸品だ。
軽めのランチのメインは、香ばしく焼いた魚の切身を美しく盛り付けた一皿だ。 ソースはあらかじめ皿に敷かれたものに加え、小さな容器に入ったもう一種を好みに応じてかけるようになっている。 オーダーした魚の種類により、皿ごとにソースが違っているところに、細やかな気遣いが感じられる。
伝統的な南仏の魚料理を、新鮮な素材、心地よい雰囲気、そして美的センスで味付けして出してくれる、全てにおいて水準以上のレストランだった。 決してミシュランの星付きレストランのような奇をてらったところはないが、このような堅実なレストランが小さな街にさり気なくあるところに、フランスの奥深さが感じられる。
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La Mère Germaine(ラ・メール・ジェルメーヌ),
7, Quai Amiral Courbet 06230 Villefranche-sur-Mer, France.,
(-->地図53)
Tel: +33 04 93 01 71 39,
店舗URL: http://www.meregermaine.com/
紹介URL:
営業時間: 入店可能時間(目安)12.00-13.30,19.00-20.30
休日: 無休
カード可,
鉄道、バス(車)のどちらで行っても、旧市街中心にある港の海岸沿いのプロムナードに出ればよい。連なるレストランの中に、間口の広いこのレストランを簡単に見つけることができる。国鉄駅、バス停のいずれからも3〜5分。
2008.3.22掲載