丘の上の城、アルカサール・デル・レイ・ドン・ペドロ

沃なグアダルキビル川流域を支配したカルモナ侯の居城をカスティーリャ王ドン・ペドロが居城として改装した城がこの建物の起源だ。その後に起きた地震で廃墟となっていたものを再建し、1976年パラドールとしてオープンした。スペイン最南部・アンダルシア地方の中央に位置するこのパラドールは、高い天井にもかかわらず差し込む光の眩しさが印象的だ。

夜には幻想的な美しさを見せるパティオ

の上にある町の最も高い部分にある城は、反対側が急な斜面に面しており平野部に向けて素晴らしい眺望が開けている。城のテラスから望む夕景は筆舌に尽くしがたい。パティオの荘厳な噴水や、現在ではレストランに使用されている大広間のアラブ風のデザインは異国情緒たっぷりだ。かつて天正年間の少年遣欧使節ら一行もこの城に宿泊したといわれている。レストランはローカル食豊かなメニューが揃っており、カルトゥッハ（Cartuja、詰め物をしたパイ）が有名だ。
　斜面にはアラブ風の美しい庭園が広がっている。夏には40℃を越すことも珍しくないが、庭園内のイスラム風の青いタイルで彩られたプールサイドの木陰で一日を過ごすのは最高の贅沢だ。

青が印象的なプールサイド