ロポネソス半島のつけ根に位置するコリンソス(またはコリントス、コリンス)は、コリンソス湾とサロニコス湾を結ぶ地理的な利点を生かし、商業で発展した都市だ。紀元前7世紀頃には既に大都市になっており、古代ギリシア、ローマ、ビサンチン、トルコ時代を通じて繁栄を続けてきた、たぐい希な都市である。
都市機能は、新たに建設された現在の新市街に移り、遺跡として旧市街の発掘が開始された。しかし近代まで現役の都市であったことが災いし、目ぼしいモニュメントは、他の有名な遺跡に比べ、ペイレーネの泉、アポロン神殿などわずかしか残っていない。 遺跡のある台地からポコッと盛り上がった巨大な岩山の上の城塞、アクロコリンソスが、現存する主要な見所だ。古代のアクロポリスだったところで、中世には城塞として使われていたところだ。頂上からの眺めは素晴らしい。 全長約6300メートルのコリンソス運河が、エーゲ海とコリンシア湾とを繋いでいる。紀元前から構想はあり、西暦67年には工事が開始された。何回か着手されたが、政変や資金難で完成には至らず、完成したのは1893年のことである。運河は狭く、大型船の航行はできないが、道路橋の上からはタグボートに引かれて80メートル下を航行する船を覗き込むことができる。 |