「地中海生活」 2000年 夏号 ( 5月12日発行 通算第18号 ) P.2
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 この古い町で一番の宿は、外観は質素ですが、貴族の館を改装しただけあって、瀟洒な客室を持っています。


 たった一つの小さな窓からまぶしい光が差し込み、朝になったことに気がつきました。

 ホテル・エリモは、中世都市エリチェにふさわしい落ち着いたつくりで、石畳の町に溶け込むように佇んでいます。


Top; Hotel Elimo, Erice
The second; Hotel Elimo, Erice
Bottom; Hotel Elimo, Erice




 町で一番高いところにあるヴェネーレ(ヴィーナス)城からは、海の視界が大きく開け、この町が標高751メートルにある山上都市であることを思い出させます。


 この町は、大人のための静かなリゾートとして知られています。

 町の中はすべて、石畳と石を積み重ねて作られた素朴な家ばかりです。


 足元には県庁のある港湾都市トラーパニ、そのすぐ向こうにエガディ諸島、そして海の向こうにはチュニジアが望まれます。

 アフリカまでは150km、ジブラルタル海峡の次に狭いこの地域は、歴史的には常に北アフリカからの「入口」でした。

 目をトラーパニの左に向けると広大な塩田地帯が目に飛び込んできます。

 さすがに今では操業している塩田は少なくなってきましたが、大粒のシチリア産の海塩は日本のスーパーでもよく見かけます。



Top; Erice
The second; Erice
The third; sight of Trapani and Egadi Islands, at Erice
Bottom; sight of saline(salt farm) of Trapani, at Erice

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