「地中海生活」
1998年 秋号 ( 8月12日発行 通算第11号 )
MAP & TRAVEL
THE MAP OF ISOLA DI CAPRI
本文に登場する町
その他の主な町
イタリア全図
カプリ(カプリ島)について
概要
歴史
旅行の季節
旅行日数
行き方
ホテル
ことば
イタリア全般の情報、参考書籍など
概要
カプリ島はイタリアの西側、ティレニア海に浮かぶ小島です。ナポリ沖、ソッレント半島からほど近く、手軽に訪れることのできる世界的な観光地です。
石灰岩で出きた台地の上には、色鮮やかな花と手焼きタイルで彩られた家々が、小径の左右に軒を連ねています。今世紀に入ってから避暑地として大きく発展し、高級なホテルや別荘が建ち並び、また町中には有名ブティックも数多くあり、とてもあか抜けた雰囲気を持っています。
町並みはこの近辺の他の地域と同じく、ギシリアとアラブとイタリアが混じり合った南イタリアらしい雰囲気を示しています。青い海とせり立った岩山をバックグラウンドに、島のどこでもも容易に美しい風景に出会うことができます。
島の周囲は断崖になっており、そこには多くの洞窟があります。その内部では、外界の陽光が洞窟中の海水に反映し神秘的な青色を呈しています。その一つで、観光船が運航する青の洞窟(Grotta Azzurra)は、手軽に行くことができるため有名です。
有名観光地のためホテル料金も高めですが、精いっぱいのおしゃれをして優雅に過ごしてみたいリゾートのひとつです。
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歴史
カプリ島は、歴史的にはすぐ近くの都市ナポリとほぼ同じ道を歩んできました。
有史以来ギリシアの一部であったカプリは、紀元前1世紀にローマ帝国に吸収されます。この時代、新興国家であったローマ人には、美しい自然に恵まれ、ギリシア文化の花開くナポリからカプリにかけてのこの一帯は特別に価値のある場所であり、ローマ皇帝のアウグストゥス帝、ティベリウス帝はこの島に居を構えていた時期もありました。
6世紀から12世紀にかけては再びギリシアに戻り、ナポリやアマルフィは商業的に大変繁栄し、おそらくカプリもその恩恵を受けたものと予想されます。この時期に交易を通じ関係の深いアラビアからも文化が入ってきました。
その後の中世から現代にかけては、ノルマン、フランス、スペインの支配を受け、1860年にはイタリアに吸収されます。
保養地としての歴史は2人のローマ皇帝以来途絶えていましたが、1827年詩人アウグスト・フォン・プラーテンが滞在して以後のものです。
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旅行の季節
夏はもちろんのこと、冬の間も花を咲かせる草もあり、年間を通じて温暖な気候に恵まれます。
とはいっても地中海性気候のため、天候が安定するのは夏季であり、陽光はまぶしく、花は咲き乱れ、波が静まる夏季は、間違いなく旅行の最適期です。
しかし有名な観光地のため、多くのリゾート地のように冬季に機能が停止してしまうようなことはありません。
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旅行日数
カプリ島は長さ10km程度の小さい島であり、町も2つしかありません。極端な言い方をすれば、1日で全て回ることも不可能ではないでしょう(ただし青の洞窟に船が出るかどうかは天候次第です)。
しかし珍しいものといえばせいぜい青の洞窟くらいであり、ましてやそれが海の状態次第で行けるかどうかわからないとなれば、一目見て写真を撮るだけのいわゆる観光目的ではわざわざ行くべきではないかもしれません。
カプリ島は美しい自然と、華やかな町、静かに流れる時、おいしい食事、に価値がある島です。最低3日間はくつろぐことをお勧めします。
近くの観光地としては、ソッレント半島のソッレント、ポジターノ、アマルフィ、またナポリ等があり、いずれも水中翼船で簡単に日帰りが可能です。夏季はイスキア島にも1往復の便があります。これらを訪ねるなら1週間の日程は必要でしょう。
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行き方(交通)
日本からカプリ島へ
ローマ、パリ、ロンドン等で乗り継いでナポリ空港まで飛び、そこから船で行きます。またローマ空港からは鉄道利用でナポリまで行くこともできます。
ナポリからの船の便数は多く30〜60分おきに出ています。水中翼船で35分の船旅です。ナポリには、メルジェリーナ、ベヴェレッロの2つの港があるので、乗船する便がどちらから出るか注意が必要です。
またナポリからチルクムヴェスヴィアーナ鉄道で約1時間のソッレントからも頻繁に船便が出ています(駅から港までは少し距離があります)。
またソッレント半島のサレルノ、アマルフィ、ポジターノおよびイスキア島(夏季のみ)からも船が出ており、周遊旅行に利用できます。
アリタリア航空利用(月・水・金・土・日)
ナポリまで
東京11:45→ミラノ・マルペンサ17:15 乗継 ミラノ・リナーテ20:10→ナポリ21:25、この日はここで泊
カプリへ
ナポリ7:10→カプリ7:45(不定期便につき運航日注意)
エールフランス航空利用(月・火・水・木・土発)
東京21:55→パリ4:25 乗継 パリ12:45→ナポリ15:00 乗換 ナポリ17:10→カプリ17:45
サレルノ、アマルフィ、カプリから
サレルノ7:45→アマルフィ8:35→ポジターノ9:05→カプリ9:55
ナポリまでは英国航空、エールフランス、アリタリア、サベナベルギー航空などいくつかの会社が接続便を持ちますが、上に上げた2社の接続が比較的良いようです。またローマ−ナポリを別料金で国内線利用とすればほとんどの会社を利用できます。
ナポリからは高速船、フェリーとも数が多いので自由に日程を組むことができます。
なおスケジュールはフライトは1998年夏期、船便は1996年夏期のものです。
島内の交通
港(マリーナ・グランデ)からカプリの町までは、バス、タクシー、ケーブルカーが利用できます。いずれもカプリの町の中心、ウンベルトT世広場までで、町内は道が狭く、車の通行はできません。カプリは意外と広い町なので、荷物がある場合は電動荷車をここで雇ってホテルまで運んでもらいます。
島内各所へはカプリのバスターミナル(ウンベルトT世広場)からバスが出ています。またタクシーも利用できます。またソラーロ山へはアナカプリからリフトがあります。青の洞窟前まではタクシーか、船(マリーナ・グランデから)で行くことができます。洞窟にはいるには小舟に乗り換えます。
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ホテル
観光客が多い夏季は、ホテルは長期滞在客優先になるため、手頃なホテルほど部屋を取るのが困難ですが、宿泊料金の高い高級ホテル(1室4万円以上)であれば短期(3日以下)でも都合のつく限り泊まらせてくれます(高いホテルほど空いているのはイタリアでも同じです)。しかしいずれにせよ、早めの予約が必要でしょう。ホテルの雰囲気や眺めの善し悪しはかなり差がありますので、何日も宿泊する場合は、エージェンシーまたはホテルなどに、部屋の状況等を事前によく確認しておいた方がよいでしょう。
カプリの町は観光、食事、ショッピング全てに便利です。特に島の反対側、マリーナ・ピッコラに面した側に、落ち着いたいいホテルが数多くあります。
またアナカプリは、喧騒を逃れて本当に静かに保養するのに最適の町で、超高級ホテルもいくつか見られます。
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ことば
広く活動するにはイタリア語が必須ですが、高級ホテルのフロント、観光レストラン、ブティック、観光名所などでは英語も通じます。少なくとも買い物、食事程度の、ある程度のイタリア語ができるようであれば、全く不自由ありません。
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