「地中海生活」 1999年 冬号 (11月12日発行 通算第16号 ) | MAP & TRAVEL |
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アルガルヴェについて |
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アルガルヴェ地方は、ポルトガルの最南部に位置し、冬でも晴天が多い温暖な気候のため、夏のビーチリゾート、冬の避寒地として一年を通じてにぎわうリゾート地です。特に地理的に近い、英国人には人気のあるリゾートです。
アルガルヴェという地名はアラブ語のAl-Gharb(西の地)に由来し、イスラム圏の最西端を意味しました。8〜13世紀のイスラム支配の時代、また13〜20世紀のポルトガルによる北アフリカ支配の時代を通じ、アルガルヴェは常に北アフリカと一体の地域をなしていました。アラビア語に由来する地名が少なからず有り(たとえば「アル」のつく地名など)、アラブ文化を受け継ぐ都市があるなど、アラブの影響を比較的強くとどめています。
またアルガルヴェは大西洋に面していますが、対岸に北アフリカの諸都市があることから、地中海的な縦と横(南北と東西)の両方向の有機的なつながりがある点、地中海と地理的環境が酷似しています。
ファーロ市を除くとほとんどが中小の町ばかりですが、おもだった町は近年リゾート化されており、昔のままの生活を送るところは少なくなってきています。海岸線はビーチが意外と少なく、崖などが多いため、それがこの地域の特徴的な景観となっています。
内陸に入るととたんに緑が消え、サボテンのみが生える不毛の砂漠地帯となっており、厳しい自然環境が目の当たりにされます。
ポルトガルは近代に入ってから現在まで地方国家に甘んじていますが、それはのんびりしたリゾートライフを送りたい都会人にとってはこの上ない魅力となっており、西欧圏に属する唯一の地方国家として貴重な存在となっています。華やかなリゾートライフと静かなピーチとを兼ね備えるアルガルヴェは、ヨーロッバ人にとっての、とっておきのリゾートの一つといえるでしょう。
イベリア地方に古くから住むイベリア族に、紀元前10世紀ごろから、北方から陸伝いにやってきたケルト人、地中海伝いに進出してきたフェニキア人、やや遅れてきたギリシア人の文化が加わり、この地方の民族の基層ができました。ラゴスなどいくつかの沿岸部の諸都市以外はまだ未開の土地でした。
紀元前2世紀ごろからローマ帝国の支配下に入り、初めて文化に触れることになります。
ローマ帝国崩壊後は西ゴート王国の支配を経て、711年イスラム帝国の一部となります。コルドバに首都を置きイベリア半島から北アフリカにかけての地域を領有したこのイスラム王国は大変栄えました。
北方から迫るポルトガル王国は13世紀に入るとアルガルヴェに急速に力を伸ばし、1249年のファーロ陥落もってアルガルヴェは完全にキリスト教化されました。さらに発展するポルトガルは1415年北アフリカのセウタに進出し、1578年までモロッコ沿岸部の諸都市を支配しました。
しかし狭い国土に加え大国スペインに圧迫されていたポルトガルの国力は一進一退を繰り返し、1494年には一時的にアフリカ、東南アジア、南米に渡って地球の半分を支配しましたが、1580年にはポルトガル自体がスペインに併合され消滅してしまいます。
1640年再度独立を果たしますが、隣国スペインとの確執のため国境防備にエネルギーを費やし、共通の敵スペインを前にして英国と同盟関係を結びます。以後現在に至るまで両国は親密な関係を保っています。
その後のポルトガルはほぼ国家としては存続しましたが、植民地からの収益に依存した後進的な宗教国家という構造を変えることができず、リスボン地震、フランス軍侵攻、イギリスによる実質的な植民地化、王室のブラジルへの退避、相次ぐ革命、軍事独裁政権と混乱を極めました。またアルガルヴェにとっては特に1755年のリスボン大地震の被害は大きく、主要都市のほとんどが破壊されました。
ポルトガルの世界各地の植民地は、1822年にブラジルを独立により失った後は、アフリカ、アジアの小規模なものだけとなりました。1999年に東チモールを放棄し、最後の植民地マカオを残すだけとなりました(2000年に中国に返還予定)。
1974年の4月25日革命の後いったん共産化しましたが、1986年のEC加盟、1989年の憲法改正により、ようやく普通の民主主義国家としての歩みをはじめたところです。
夏は地中海性の気候で毎日晴れた暑い日が続き、旅行のメインシーズンであり、リゾート地はどこへ行っても人でいっぱいです。また春・秋も比較的天候は安定しており、気温も快適な過ごしやすい季節です。冬の冷え込みもそれほど厳しくなく、天候も晴れた日が少なくありません。平均気温は10度前後と、比較的温暖なため避寒地としても有名です。1月〜2月にかけては、アーモンドの白い花で埋まることでも知られています。年間を通じて楽しめるリゾートといえるでしょう。
アルガルヴェ地方は東西に長い約170kmの地方であり、1日あれば車で端から端まで回ることも不可能ではありません。普通は急ぎの旅で2〜3日、ゆっくりした旅なら4〜5日程度が必要かと思われます。
数多くのビーチリゾートが有り、高級ホテルから庶民的なホテルまで充実しています。
夏期は大変混雑するため、現地で当日ホテルを確保するのは難しいことも有り、早めに予約することをお勧めします。
またポルトガルにはポウザーダという有名な国営ホテルチェーンが有り、アルガルヴェ地方にも数軒が有ります。
ポルトガル語が使われます。英国と交流が深い国で有り、英語を話せる人も多く比較的良く通じます。
アルブフェイラ、プライア・ダ・ロシャなど、海岸には有名なビーチリゾートがいくつも有ります。また少し内陸に入ったシルヴェス、モンシーケなどの小さな町もポルトガルらしい旅情が感じられるところです。