Storico
ランスの南の果て。それは、本土の沖合いに浮かぶコルシカ島南端の町、ボニファシオだ。海峡を隔てた20km先は、イタリアの町サンタ・テレーザ・ガッルーラ(サルデーニャ島)だ。 |
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の周囲の海岸はレストラン、バー、ブティックなどが連なり、リゾート感が溢れている。ここから見上げる旧市街の城壁は大変な迫力で迫ってくる。旧市街まではつづら折の長い階段を上っていく。城壁の高さは驚くほどだが、ウインドウショッピングとすばらしい景色とに助けられ、夏の暑い盛りでもなけれぱ、思ったほどきつくはない。木製の跳ね橋を渡り、分厚いジェノヴァ門をくぐると城内だ。まず、ジェノヴァ門のすぐ脇にある入口から城壁に上ってみよう。ボニファチオ名物の強風が汗を乾かしてくれる。疲れを吹き飛ばす、素晴らしい景色がご褒美だ。
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ン・ドミニク教会は、岬に向かって城壁を出てすぐの荒地の中に立っており、14世紀のピサ時代に立てられた教会だ。8角形の鐘楼が特徴的だ。8月24日の聖バルテレミー(St. Barthélémy)の日、普段は教会にあるキリスト像が、民族衣装を着た沢山の町人に付き添われた行列となって、旧市街を目指して出発する。城壁内の目的地(恐らくはサント・マリー・マジュール教会)までの道を往復する。サルディーニャの聖人の里帰り行列を思い起こさせる楽しいイベントだ。
城 壁の南側は垂直な崖になっているが、その中を約45度の急傾斜でえぐって作られた187段の階段が80メートル下の海まで続いている。アラゴン王の階段(Escalier du Roi d'Aragon)と呼ばれており、伝説によれば1420年、アラゴン王アルフォンソ5世がこの町を攻略する際、一夜のうちに作らせたといわれている。一直線に海面まで続く階段を下っていると、思わず青い海に吸い込まて行きそうな錯覚に陥る。海面に達すると道は水際すれすれに岬のほうへと続いている。
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