"地中海,スペイン,アンダルシア,カルモナ,carmona"
パラドールとなった離宮を頂く丘の上の町
Carmona
カルモナ
(スペイン)♦

ビーリャの東38km、グアダルキビル川の肥よくな平野を見下ろす丘の上の町がカルモナだ。
 町の歴史は古く紀元前のカルタゴ時代にまで遡る。ローマ時代のネクロポリス(死者=墓地の町)はこの町を特徴付ける史跡の一つだ。
 カルモナはベルベル人のビルザーリー朝のもとで繁栄するが、1247年カスティーリャ王フェルナンド3世の攻撃で陥落した。以後ベルベル人、アラブ人は後背地へ後退し、一気にキリスト教化が進んだ。

 14世紀にペドロ1世はアラブの城を改装して、セビーリャのイスラム職人たちに命じて立派な城を築いた。
 そのパティオ、テラス、大広間のどれもが群を抜いて素晴らしく、国の史跡に指定されている。現在はパラドールとして公開されており、宿泊が可能だ。
 旧市街の入り口セビーリャ門(Puerto de Sevilla)をくぐると、狭い小路はムデハル様式(キリスト教支配後も続いたアラブ様式の建築)とルネサンス様式の建物で埋め尽くされている。

 町内の多くの教会はモスク時代のミナレットまたはムデハル様式の鐘楼を擁している。サンタマリア教会(Santa Maria)はかつての主モスクの上に立てられたゴシック式の教会だが、美しいパティオがそのままに残されている。オープンマーケットのあるサン・フェルナンド広場(Plaza San Fernando)周辺のアラブ風のたたずまいは昔日を思い起こさせる。