丘の上の村の風通しのいいロッジァでの食事 | ||||||
トヴンは、クロアチア東端にあるイストラ半島東部の、イタリア領時代が長く文化的にイタリアに近い小さな町だ。
当然、郷土料理はイタリア料理そのものだ。しかも、この地方独特のパスタやスープなどがあり、クロアチアでしか食べられないイタリア地方料理、という何とも珍しいメニューもある。 丘の上の村モトヴンは、周囲を深い緑の森に囲まれている。村へと登っていくと、城壁の端に、東屋さながらの形をしたヴェネチア領時代のロッジァが残っている。あたかも、遥か足元の谷を見下ろす展望台であるかのようだ。
その城壁に埋め込まれたスペースに、手軽なレストランがある。それがポド・ボルトムだ。 夏なら、すぐ隣にある絶景のロッジァに席を取りたい。歩いて10秒のレストランから、すぐ料理を運んできてくれる。 |
白トリュフにイストラのハムとチーズ。山の幸ざんまいのひととき。 | ||||
元の食材から作られる料理は、すべて山のものだ。前菜には、地元のプルシュト(プロシュート─生ハム)、羊のチーズ、またさすがこの地の特産だけのことはあり、チーズのトリュフ掛けという贅沢なメニューもある。
イストラはワインの産地としても有名だ。マルヴァジア種の白ワインは広くイタリアで栽培されており、比較的安いワインに使われることが多い味や香りが大人しい品種と思われている。 しかしクロアチアのマルヴァジアには驚かされる。別の品種と思うほど、力強くパンチのある濃い味がある。何でも皮まで漬け込む発酵法により、全く違った味が出てくるとのことだ。村にはお土産用のワインショップが何軒かあるので、気に入ったら帰りに買っていくのもよい。 |